佐藤敬夫総合研究所
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〜挑戦し続けるからこそ成果につながる
            −飯森流リーダーシップ論〜
講師:東京交響楽団正指揮者 / 山形交響楽団音楽監督・飯森範親氏

日時:2010年04月07日(水)午前11時開場・午前11時15分開始
場所:東京・六本木ヒルズクラブ
   東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー51階
桐朋学園大学卒業。
ベルリンとミュンヘンで研鑽を積み、94年から東京交響楽団の専属指揮者、モスクワ放送交響楽団特別客演指揮者、大阪・オペラハウス管弦楽団常任指揮者、広島交響楽団正指揮者などを歴任。
04年シーズンより山形交響楽団の常任指揮者に、07年より音楽監督に就任、次々と新機軸を打ち出してオーケストラの活動発展と水準の向上に目覚しい成果を挙げておられます。
国内外の多くのオーケストラとの間に築かれた類稀な信頼関係、信頼を裏付ける着実な活動の輪の広がりが高く評価され、05年「渡邉暁雄音楽基金 音楽賞」を受賞。
さらに、近現代作品や日本人作品の初演・再演に対する業績により、06年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞、06年度中島健蔵音楽賞を相次いで受賞されています。
現在、山形交響楽団音楽監督、東京交響楽団正指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団名誉指揮者、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者としてご活躍されています。

【飯森範親オフィシャルサイト】指揮者|飯森範親
http://www.iimori-norichika.com/

【飯森範親オフィシャルブログ】「マエストロ、出番ですよ」
http://ameblo.jp/iimori-norichika/

著書:監修・飯森範親
『マエストロ、それはムリですよ・・・』


まず、私と佐藤敬夫先生との出会いは半年ほど前の事業仕分けがきっかけとなります。
私共の音楽業界をはじめ、芸術創造活動分野の大幅な予算削減という危機的状況を救っていただいたのが佐藤敬夫先生なのです。
そういった厳しい状況の中でも私たち音楽家は演奏会の開催や、音楽を通じて子どもたちへの心の教育としてで還元していかねばなりません。
私たち音楽家は他のジャンルの音楽家とのコラボレーションは比較的頻繁に行われます。
しかし、音楽家が率先して全く異なるジャンル(業種)の方とコラボレーションする、他の世界に目を向けるということは、極めて稀なことなのです。
その中で私は、幸運にもある企業の方々との出会いをきっかけに様々な業種の方との関心・交流が深まり、音楽とは異なる分野での展開がおこなわれるようになりました。
このように音楽とは別の事業展開の中でも、私の原点はオーケストラをまとめる指揮者という職業にあると思っています。
また、指揮者には大きく分けて2種類のタイプが存在します。
まずはじめに、音楽しか興味のない、指揮をすることに集中するタイプです。
次に指揮の技術や音楽的な能力は標準的なレベルで、政治的に動き回ることに重点を置くタイプ。
私はこのようなタイプの方々を見て、私自身はどちらでもないと思います。
しいて言うなら、指揮をする傍ら、音楽とは異なる事業活動をおこなう私は両者のバランスを偏りなく持っているタイプなのかもしれません。
個々の能力の高い演奏家たちをまとめ、演奏会に足を運んでくださるお客様に素晴らしい演奏を提供したいという思いから、私が心がける指揮者・音楽監督としてのリーダーシップ論をお話しできればと思っています。

私は、しばしば「あれだけのオーケストラが指揮棒一本で思いのまま動いたら気持ちいいでしょう?」と尋ねられることがあります。
しかし、そう簡単なわけもなく、指揮棒一本で動かすための演奏家たちとのコミュニケーションがあってこそなのです。
それは決して技術的なことだけではなく、演奏家たちにいかに気持ちよく演奏してもらえるかという指揮者の意識が伝わらねば成し得ることができません。
すなわち、リーダーがいかに個々のモチベーションを向上させるかということが非常に重要なのです。
「できません」「無理ですよ」という否定的な意見に対して、なぜできないのか?なぜ無理なのか?という本質を見抜き、いかに相手にチャレンジさせられるかということがリーダーにとって大きな役割であり、取り巻く環境で信頼関係を築くことにつながるのです。

そして、挑戦には必ずミスが存在します。
それは演奏上のミスもあれば、組織内部の事務的なミスなど様々です。
ただし、いかなるミスにも原因あるということ、そして一度犯してしまったミスは元には戻せないという共通点があります。
リーダーは、その起きてしまったミスに対して当事者と「なぜそのようなミスが起きたのか」「どうすれば同じようなミスは今後防ぐことができるのか」ということを考え、話し合う必要があります。
時にはその仕組みを考える中から、ミスをなくすだけでなく、もっと発展的な仕組みが生まれることもあるのです。
当事者と一緒になって考え、仕組みを生み出す機会を与えることで、次につながる行動が前向きになっていきます。
また、ミスに対して咎めるばかりではリーダーは成り立ちません。
その先を見据え、ミスをした中でも最善の策を練ることが不可欠だと言えます。



これらを統合すると、リーダーに一番必要なものは信頼と環境であるということが言えるでしょう。
信頼を得るためには、まず自分から相手を信頼することから始まります。
自分がリーダーとして立つその組織は、少なからず自ら、もしくは自分が信頼している人が選び、メンバーで構成されています。
高い競争率の中から選び抜かれたメンバーを信頼することは、そのメンバーの能力を認めた我々の資質であり、責任でもあるのです。
何よりリーダーになるまでの過程において一人で築き上げたのではありません。
信頼できる部下・同僚・自分の片腕となって動いてくれる方、そして自分を真剣に批判してくれる方に感謝し、共に成長し合うことがリーダーとしての資質をより高めることにつながります。

また、リーダーは他者の意見を聞き入れるだけではなく、常に新しい提案やアイデアを生み出さなければ停滞します。
私は思いついた提案をとにかく周囲に話します。
私の信頼するその分野に長けたブレーンに話すことで複数案件が同時に進行させることができるのです。
もちろん実際に動いてくださる方とプロジェクトの経過や成果について密に連絡することで信頼関係を保つよう心がけています。
そして、自分自身が提案したプロジェクトも含め、他人の成功を喜べるのが真のリーダーであると私は思います。
自分が考えた、自分が作ったなどと手柄を全て自分のものにしてしまうようではプロジェクトの成功とは言い難いのです。
リーダーとは全ての人が成功と思えるプロジェクトへと導いていく実行力が伴わなければなりません。

私の父は「不言実行」をモットーとしていたのですが、私は「有言実行」を心がけています。
私は山形交響楽団で活動するようになってから、山形交響楽団のセールスマンとして様々なところで山形の良さ、山形交響楽団の良さを口にしています
おかげさまで、山形県から「やまがた特命観光大使」に選んでいただきました。
また、組織を牽引するリーダーは常に背中を見られているものです。
間接的に山形交響楽団の評判を聞くことがあるのですが、どうも私が言っていたことと同じようなことを楽団員が言っているようなのです。
私の振る舞いや発言を見聞きし、少なからず影響を与えることができているのだと感じられることは非常に嬉しく、貴重な経験だと感じています。

このようにリーダーとされる存在は常に誰かに見られ、そして常に新たな提案を続けて行くにはONとOFFなど必要ではないのです。
日々の雑談の中にもアイデアは存在します。
OFFの意識を取り払うことで、それはプロジェクトへと変化し、その意識で挑戦し続けることが成果へとつながっていくのです。
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