佐藤敬夫総合研究所
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〜お客様の視点に立った経営が新しい時代を創る〜
講師:ポークランドグループ代表・豊下勝彦氏

日時:2010年05月12日(水)午前11時開場・午前11時15分開始
場所:東京・六本木ヒルズクラブ
   東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー51階
農協職員時代に畜産の可能性を感じ、ポークランドを設立。素人の斬新な発想とお客様の視点に立った「安全で安心な食」の追求をモットーに養豚を手がけ、平成15年には全国の養豚農場で2例目となるISO14001認証を取得。
さらに、平成16年には全農安心システム認証を取得。また同年に生産情報公表豚肉のJAS規格を日本で初めて認証取得し、翌年には財団法人秋田県経済研究所より振興表彰と毎日新聞社主催の全国農業コンクールにて名誉賞、総務省のふるさと企業大賞を受賞。
さらに平成21年には東北IT経営実践オピニオンリーダー賞と情報処理推進機構理事長賞、ハイ・サービス日本300選を受賞。
今年は食肉通信社主催の2010食肉産業展にて銘柄ポーク好感度コンテストPrat9「お米で育てた桃豚」優秀賞を受賞。
このように華々しい受賞歴を持ち、画期的な循環型農業に取り組んでおられるポークランドグループ代表の豊下勝彦氏に畜産業界を牽引する立場として講演を行っていただきました。


弊社は企業理念に、新しい時代を創り出すために「農業で幸せになろう」ということを掲げています。
この理念は、安心で安全ななつくりの見える農業を創造していくことに置き換えられます。
その中でも私は農業というフィールドで地元に根ざした活動を行うことをモットーとして取り組んでいます。
弊社の従業員は現在120名で、平均年齢は34歳。
このうち養豚経験者は3名のみで、私を含む他の従業員はほぼ養豚未経験からスタートしています。
ただ、弊社では既存の考え方では務まらない部分が多く、その3名の経験者さえも現在は養豚に関わっておりません。
また、弊社のような養豚農家の戸数は、1999年以降の10年ほどで12,500戸から5,000戸と半分を下回る40%に減少しています。
この数字が示すように、これまでのやり方では通用しない「適者生存」の時代へと移り変わっているのです。
3年前には豚の飼料は3倍に高騰し、現在ではやや落ち着きを見せていますが、それでも以前の2倍ほどの価格で、豚肉の相場は冷え込んでいる状況です。
この厳しい状況を生き抜いていくために、まず私共が考えたのは、地元の皆様も含め消費者の皆様に「応援したいと思われる企業であるか」ということです。
自分たちの仕事は世の中のためになっているか? そして、消費者が求めるものを作るのは当然のことながら、食物について何が正しいのかということを伝えていくのも農業に携わる私たちが担うべき役割ではないだろうかと社内での意識付けを行っております。
また、農業とは限りなく自然に近く、環境問題についてはさほど関係ないと思われるかもしれませんが、逆に農薬の河川流出や、弊社の場合はファンを回す電力など大きなエネルギーを使用し、実は農業が一番自然を汚しているのではないかと振り返るためにもISOの取得を行っています。

そのほか、弊社の豚の生産方法について代表となるのが、まずSPF技術を用いた農場です。
SPFとは薬を使用せず、滅菌により豚の生産に関わる5つの大きな病気が発症していないかなど常時チェックし、年4回の血液検査や内蔵検査を行うなどSPF協会の規定に沿った農場運営をすることで毎年認定証をいただいております。
そしてSPFの滅菌の技術に反して、弊社ではBMWという有用菌の活用技術も導入し、家畜の排泄物などは自然の微生物を使って分解しています。
また、できるだけ消毒・滅菌をせずに内側の環境を整えることで、免疫力の向上、病気をしない身体づくり
このSPFとBMWという相反する技術により、外部からの菌の侵入を防ぎ、内部では可能な限り殺菌処理をおこなわず内側の環境を整えることで、免疫力の向上、病気をしない身体づくりが可能となるのです。
これにより飼料にも抗生物質を使用することなく健康な豚を育てられています。
実は、この抗生物質ですが、現在日本で年間使用されている3/4は食物に使用されており、医薬品としては1/4程度しか使用されておりません。
そして食物使用の中でもそのほとんどが家畜用の飼料に使用されているのです。
循環型農業を行ううえで、家畜の排泄物を分解し、農作物のたい肥として使用するにも、抗生物質が分解されているという保証はないのです。
このような悪循環は防ぎたい、本当に食べたいと思える安全なものを作りたいという思いからこの仕組みを築いたのです。



弊社が手がける資源循環型農業では、養豚場で作られるたい肥に加え、家庭の生ゴミを回収し、たい肥に変えて周囲の農家に還元しています。
また、近隣農家の休耕田を利用し、豚の餌となる飼料米を作ることで、減反の対策も行っています。
こういった相互にメリットのある中で地域で循環していければと考えています。

弊社の今後の2020年までのビジョンとしては、まず現在の豚の出荷頭数12万頭を約3倍の32万頭にまで引き上げたいと思っています。
その他、現在でも6ヘクタールほどの耕作地で無農薬のニンジンを栽培していますが、さらに耕作放棄地を利用して自社で農作物の栽培を拡大していこうと考えています。
そして弊社の今年のキャッチフレーズとして「懐かしい未来へ−先進的原点回帰」というのを掲げています。
これは、技術力は生産効率の高い先進的なものを使用し、農業に対する姿勢は安全・安心なものを作るという原点回帰を目指すというものです。
これをもとに弊社では豚の飼い方の見直しを行い、アニマルウェルフェアという考え方に着目しました。
いずれは食べられてしまう家畜も、それまでは幸せに暮らせるような環境作りを行い、心身ともに健康な豚を育てるこを心がけています。

また、農業従事者が減少している現在では、農業参画を希望する若者に対する受け皿がないというのも事実です。
そして著しく少子高齢化が進む中で60歳以上の方の帰農を勧めるためにも、過疎地の廃校を活用したオーガニックアカデミーという学校施設も開設しております。

代々農家を営んでおられる方々から見れば、私は異端児と思われるかもしれません。
しかし、私は農業に対して「素人」だったからこそ理解しようと学ぶことができましたし、革新的なことに取り組むことができたのだと感じています。
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